華やかなイメージがあるマスコミ業界。漠然とイメージはあるけど仕事内容や業界についてあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。この記事ではマスコミ業界の種類や就職スケジュールについて解説します。また、マスコミ業界に就職するのに必要な対策も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
放送業界
出版業界
新聞業界
広告業界
放送業界
放送業界とは、テレビやラジオといった通信設備を通じて視聴者に情報を届ける仕事をする業界のことです。放送業界は職種も様々で、アナウンサーやラジオパーソナリティ、報道記者といった「情報を伝える人」から、プロデューサーやディレクターといった「制作者」など多岐にわたります。かつては撮影や編集で家にも帰れないハードな職場という印象が強い業界でしたが、昨今の働き方改革により、労働時間、労働環境が見直され始めています。
出版業界
出版業界とは、雑誌や文学書、漫画といった紙媒体を通じて情報を世間に届ける業界です。企画・制作を行う「編集者」を始め、実際に記事を執筆する「ライター」や撮影を行う「カメラマン」など幅広い職種があります。最近では、電子書籍のニーズに対応するため、アプリの導入など業態も変わりつつあります。
新聞業界
新聞業界とは、国内外のニュースを新聞購読者に伝える業界です。政治や経済など時事ネタを詳しく扱っています。新聞社は大きく「全国紙」と「地方紙」の2つに分けられます。「全国紙」が全国に向け日本中のニュースを伝えているのに対し、「地方紙」は特定の地域内でその地域に根差した情報を伝えているのが特徴です。どちらの新聞社でも職種は編集者と記者などがあります。記者は撮影や取材で移動することもあり、時には長期間の出張が必要になる場合もあります 。
広告業界
広告業界とは、企業などの「広告主」と「メディア(テレビ・ラジオ・紙媒体・WEB媒体など)」を繋ぎ、マーケティング戦略にもとづいた広告の制作・配信をする業界のことです。主に営業、制作、エンジニア、マーケティングプランナー等の職種があります。特に営業では、クライアントへの提案から広告制作の指揮などの仕事を行うため、コミュニケーション能力やマーケティング知識など様々なスキルが必要とされます。
一般的な就職スケジュール
一般的な日系企業であれば、大学3年3月から5月にかけて「エントリー」や「企業説明会」が行われます。その後、大学4年6月から9月にかけて「試験」「適性検査」「面接」「内々定」と選考が進められていきます。そして、10月の「内定式」で正式に内定を貰い、就活が終了となります。
エントリーが開始されると、エントリーシートの作成や面接などで忙しくなるため、大学2年3月から大学3年の3月までの間に「自己分析」「業界研究」「企業研究・職種研究」など就活の事前準備を完了しておくのが一般的です。
マスコミ業界の就職スケジュール
マスコミ業界は、基本的に一般的な就職スケジュールよりも早く採用選考が進められます。例えば、テレビ局(キー局)の総合職の場合、大学3年の12月~1月の時期にエントリーが開始されることが多く、アナウンサー職の場合さらに選考が早く、大学3年の9月ころからエントリーが開始されるところもあります。
新聞社の場合、4月にはエントリーが締め切られます。面接は一般企業同様6月からですが、エントリーの締め切り日が早いので注意が必要です。
このように、マスコミ業界の採用選考は企業によってスケジュールが異なることが多いので、マスコミ業界への就職を希望する学生は、早めに企業研究を行い、志望企業のエントリー開始時期を把握しておく必要があります。
一般的に、大学3年3月までに「自己分析」「業界研究」「企業研究・職種研究」を済ませておくのが就活の基本です。しかし、マスコミ業界は採用選考が早めに行われるので、さらに前倒しで対策を済ませておくことが大切です。その上で、マスコミ業界を目指す学生が大学3年生の内から準備・対策しておきたいことを紹介します。
マスコミの就活イベントに参加する
マスコミ業界と一言でいっても「放送業界」「新聞業界」「出版業界」「広告業界」など多岐にわたります。一つ一つ業界研究するのも大切ですが、マスコミ専用の就活イベントに参加することで、各業界の仕事内容を手軽に知ることができます。マスコミ業界のイメージが漠然としている方は、イメージを固めるために、マスコミの就活イベントにぜひ参加してみましょう。
筆記試験・作文対策
マスコミ業界(特に新聞社・テレビ局)では、SPIやWEBテストの替わりに、独自の筆記試験を用意している場合があります。時事問題・作文・国語試験・一般教養など試験の内容は企業によって違うので、あらかじめ試験内容を確認し、対策しておきましょう。
インターンシップに参加する
入社後に「イメージしていた仕事と違う」とならないよう、志望する業界・企業のインターンシップに参加するのがおすすめです。また、実際の仕事内容を体験しておくことは、業界・職種研究にもなるので、ESを作成する時や面接の際に役立ちます。
OB・OG訪問
マスコミ業界への就職は狭き門と言われています。選考を乗り切るために、どんな対策をしておけばいいか、OB・OG訪問で先輩たちの話を聞いておきましょう。志望動機や面接対策、試験対策など相談してみるのがおすすめです。また、インターンシップに参加できなかった人は、社風や仕事内容などについても聞いておきましょう。
新聞を読む(ニュースを見る )
マスコミ業界の筆記試験・面接では、時事問題に関する内容が多く出題されます。新聞やテレビのニュースなどを見て、世間の動向には敏感になっておきましょう。また、知らない語句やできごとがあった場合は、内容を説明できるようにしておくのがおすすめです。話題になった人物の名前もフルネームで書けるようにしておきましょう。
資格・スキル取得
目指す業界にもよりますが、仕事に役立つ資格やスキルを取得しておくと面接などでアピールできます。また、資格の内容がそのまま筆記試験に活かせる場合があります。余裕がある人は資格やスキルの取得を検討してみましょう。以下はマスコミ業界で役に立つ資格・スキルの一例です。
放送業界:TOEICなど
出版業界:DTPエキスパート認証試験、校正技能検定、書籍製作技能検定など
新聞業界:語彙・読解力検定、ニュース時事能力検定、校正技能検定など
広告業界:ウェブ解析士、DTPエキスパート認証試験、POP広告クリエイターなど
ITの発達にともないマスコミ業界のあり方が変わってきています。ここでは各業界の現状や課題について解説します。
放送業界
これまで情報の一方通行であったテレビやラジオなどでは、SNSを活用することで、視聴者がリアルタイムで意見を言ったりできる「双方向性」の番組が増えてきました。また、動画配信サービスを利用して、過去の放送を見返せるようにしたり、テレビ本編とは別のオリジナルドラマを配信したりするなど、インターネットやアプリを活用するスタイルに変わりつつあります。
今後放送業界へ進むことを考えている学生は、従来のテレビ・ラジオにはない斬新なアイデアを考える力が求められるでしょう。
出版業界
出版業界は、紙媒体の衰退により、市場規模が年々減少している傾向にあります。実際、これまで多くの雑誌が廃刊になり、雑誌や書籍の売り上げが伸び悩んでいます。しかし一方で、アプリやWEBサービスを使った電子書籍に力を入れるようになりました。今後の出版業界では、アプリやWEB媒体でどうやって書籍を宣伝し、収益を上げるかが課題と言えます。
出版業界へ進むことを考えている学生は、雑誌や書籍の企画・制作だけでなく、販売方法や販促方法など「売るためのアイデア」も求められるでしょう。
新聞業界
新聞業界も出版業界同様、インターネットが普及したことで紙媒体の衰退、購読者の減少が懸念されています。編集者や記者の仕事内容に大きな変更はなさそうですが、販売部門や広告部門で働く場合、出版業界同様オンラインメディアでどうやって収益を上げるか課題と言えます。特に、若い世代にとって「ニュースはアプリで無料で読める」が常識になっているので、現状を踏まえた増えで新しいビジネスモデルを構築することが重要となります。
広告業界
インターネット広告が主流となった今、広告の在り方にも変化が起きています。現在では、ビッグデータを用いた広告戦略が主流となり、「ユーザーごとに最適な広告を表示させる」方向へとシフトされています。それにともない、動画広告やSNS広告、アドセンス広告など、広告の形式・内容も多様化。より生活者に寄り添った広告が求められるようになり、この傾向は5年10年続くと考えられています。これからの広告業界には、広告を作る技術だけでなく、ビッグデータを活用できるマーケティング知識がより必要となるでしょう。
今後も目まぐるしく変化することが予想される広告業界では、幅広い知識を吸収する気持ちが求められます。
マスコミ業界というと、「テレビ局」「ラジオ放送局」「出版社」「新聞社」「広告代理店」を思い浮かべる方も多いと思います。しかし、実際には関連企業も多く、広義でマスコミ業界と言える企業が多数あります。例えば、「音楽・芸能事務所」「映画会社」「番組制作会社」「映像制作会社」「放送技術・美術会社」などが挙げられます。マスコミ業界のイメージが漠然としている方は、上記の企業もチェックしてみましょう。
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