「テレビ」「映画」「広告」「映像」「ゲーム」といった多種多様なジャンルで構成される映像業界。近年ではスマホの普及やネット環境の整備に伴い、SNS動画やスマホアプリ、CGといった分野にも活躍の場が広がっていることから、「華やか」「クリエイティブ」といったイメージを持つ学生も少なくありません。
しかし「映像業界を詳しく知りたい」「映像業界の知識を深めたい」と思っても、多様なバックグラウンドを持つ業界であるがゆえに、どのようにして企業研究や職種研究を進めていけばよいかわからない、と感じる就活生もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、映像業界の企業研究・職種研究の方法やポイントについて詳しく解説していきたいと思います。
一言で映像業界と言ってもその仕事内容は実に様々。そんな中、就活に向けて「業界」「企業」「職種」などのカテゴリーを絞って研究するには、業界全体がどのような構成でできているのかをまずは知る必要があります。
では、最初に映像業界全体の構成を紐解いていくことにしましょう。
就活生がイメージしやすい映像業界の仕事には
・テレビ
・映画
・アニメ
・CM
・広告
・SNS動画
・プロモーションビデオ
・インターネット番組
・スマホアプリ
・ゲーム
といったものがあります。以前は、テレビやテレビCM、映画といったジャンルが映像業界の代表的な存在でしたが、ここ最近はスマホやSNS向けの動画やアプリ関連分野にも非常に注目が高まっているようです。
また「制作」に携わる仕事のみならず、配給会社や興行会社も映像業界の重要な一翼を担っています。
さらに制作部門では、この大分類から
・企画、制作、編集までをトータルでカバーする「制作プロダクション」
・一部の編集作業や仕上げのみを行う「ポストプロダクション」
・CG加工に特化した「CGプロダクション」
などに細かく分類されます。この制作系の仕事を支える職種には「企画系」と「技術系」があり、どの部門を目指すかによって学歴やスキル、求められる能力などが異なります。
たとえば、
【企画系の職種の例】
プロデューサー、ディレクター、制作デスク、構成作家など
カメラマン、音声、編集、音響、照明、特殊メイク、CGデザイナー、サウンドクリエイターなど
映像業界の全体像が把握できたところで、いよいよ本題の「企業研究、職種研究」について詳しく見ていきましょう。
そもそも就活における企業研究とは「入社を希望する企業の情報を調べたり分析したりする」こと、また職種研究は「職務の内容を理解し、働き方やキャリアパス、適性などを正確に把握する」という目的があります。
気になる会社や職種があればその都度情報収集をしていくのが望ましいですが、就職活動が本格化してくるとエントリーシートの記入やWEBテストの準備など、日々のタスクに負われてしまいがちとなるのが現実。そのため、できるだけエントリーシートの募集が始まる前から情報収集をしておくことがポイントとなります。
就活生の中には「実際の制作現場を見たい」「どんな社風か直接体感したい」という方も一定数いると思われますが、その場合、インターンシップの募集前時期よりも前に企業研究や職種研究を進めておくと、その機会をより有意義なものにすることができます。
また、企業や職種の研究だけでなく、同業界での位置づけや他社との違いを調べること(業界研究)によって、その会社ならではの特徴や強みを知ることも重要なポイントとなります。忘れずにチェックしておきましょう。
企業研究のポイントは次のような点を確認していきましょう。
・企業情報や設立背景(理念)、所在地と言った基礎的な情報を把握する
・扱っている商品やサービスの対象・市場シェアなどを理解する
・採用スケジュールや採用人数、選考プロセス、選考時に必要となる書類、募集職種などの情報を得る
・今後の事業戦略や中長期計画、直近のビッグプロジェクトにはどんなものがあるか確認しておく
・企業の特徴や強み、他社にはない部分を掘り下げる
・人事評価制度など、働きやすさやキャリアパスは自分に合っているかチェックする
企業研究では多角的な情報を得るために、ネットの情報だけでなく書籍や新聞、会社パンフレットなどの様々なリソースから収集するのが良いとされています。そこで得た情報を1つにまとめておけば、後々振り返りがしやすくオススメです。
しかし、これはあくまでも就活に繋げるための企業研究ですので、特定のトピックばかりを掘り下げて調べたり、時間をかけすぎたりしないよう注意が必要です。「企業の概要」や「自分とのマッチ具合」がある程度把握できたら、次のアクションに移りましょう。
たとえば、
・テレビ局⇒大手キー局 or 系列局
・広告代理店⇒大手 or 中小企業
・制作プロダクション⇒専門業者 or 幅広いジャンルを取り扱う業者
といった具合に、事業規模によって扱う仕事の範囲やボリューム、内容などが異なってきます。
そのため「系列局のカメラマンの仕事」「1つのジャンルに特化した制作プロダクションのCGデザイナー」など、ある程度の規模感を絞り込んだうえで職種研究を始めると、より具体的な仕事内容や適性を知ることが可能となります。
職種研究でチェックするポイントとして、
・職種の仕事内容
・求められる適性や能力
・キャリアパス
といったことが挙げられるでしょう。
職種研究では仕事内容を調べて満足する人も多いですが、それだけで終わりにせず、「自分の強みや特性との相性はどうか?」「学生時代の経験をどんなふうに仕事へ活かせそうか?」など、必ず自分自身とその職種を関連付けて考えるようにしましょう。
さらに映像業界の企業研究・職種研究を深堀りするなら、最新動向やトレンドをチェックしておくことも忘れてはなりません。
最近の映像業界の動向として
・インターネットやSNSの普及で、ネット配信動画等が主流になりつつある
・テレビの録画機能やネット配信サービスの影響で、テレビをリアルタイムで見る人口は減少傾向にある
・EC事業や音楽事業への着手など、経営の多角化へ乗り出す企業も登場している
といったことが見られます。
映像業界は今まさに過渡期であり、時代の流れに伴って映像業界そのものの在り方が変化していく中、「自分が映像業界で何ができるのか?」「どんな貢献ができるのか?」といったことを考えながら企業研究や職種研究をしてみても面白いかもしれません。
映像業界で働いた経験のない就活生にとって、「映像業界って実際はどんなところなんだろうか?」「自分に本当に向いているのか?」と不安に思うこともあるでしょう。
近年は企業情報や最新ニュース、選考に関する口コミなどが簡単にインターネットから入手できるようになったこともあり、「とりあえず過去の就活に関する口コミを見ておけば何とかなる!」と考える人も少なくないかもしれません。
もちろんインターネットやSNSは、情報源として使うのにとても便利なツールですが、他人の意見が必ずしも自分とマッチするとは限りません。たとえ「社風が良い」「働きやすい」といった口コミ情報があっても、それは他人軸での評価であり、自分で体感するのとは180°違う可能性もあるわけです。
そのため、映像業界について「もっと詳しく知りたい」「学生時代から深く関わってみたい」と思うのであれば、
・アルバイトとして入社してみる
・インターンシップに応募する
・OBOGへインタビューする
・会社説明会や会社主催のセミナーなどに積極的に参加する
など、自分の目でしっかりと業界や企業に対する見識を深めていくことが必要となります。
また、企業研究や職種研究に直接結び付くわけではないものの「仲間と映画を撮ってみる」「撮った映像を売り込んでみる」といった経験が、仕事の段取りや工程を学ぶうえで役立つこともあります。実際に手を動かしてみることにより新たな側面を発見できる場合もありますので、興味がある方はぜひチャレンジしてみると良いでしょう。
映像業界の求人情報やインターンシップ情報を探すには、企業のWEBサイトまたは就活情報サイトを活用するのが一般的です。
ただし企業のWEBサイトは採用情報だけに特化したサイトではなく(一部では新卒採用の専用ページを用意している企業もあります)、新卒募集に関する情報が更新されていなかったり、就活生側が必要な情報を見落としてしまったりするケースがあるのも事実です。
その点就活情報サイトであれば、複数企業の求人・インターンシップ情報をまとめて得られるだけでなく、お役立ちコンテンツの提供やイベント募集なども行われており、かなり効率的に就活を進めていくことができます。
就活生の中には「就活情報サイトはいろいろあって、どれを選べばよいか分からない」という方もいるかもしれませんが、映像、ゲーム等のクリエイティブ業界に特化した「クリ博ナビ」を利用すれば、映像業界に関連するイベントやインターンシップ情報などをゲットすることが可能!
オンラインでの会社説明会やセミナー等も充実していますので、映像業界への就職を検討している方はぜひ活用してみましょう!
今回の記事では、映像業界の企業研究・職種研究のやり方について詳しく解説していきました。
映像業界は多種多様な業態・職種を抱える業界ということもあり、企業研究や職種研究を進めていると複雑に感じることもあるかもしれません。そんな時は一度立ち止まって「なぜこの会社に入りたいのか」「企業で何を実現したいのか?」と原点に返ることも大切です。
そして「やりたい仕事」「入りたい企業の方向性」が見えてきたら、ぜひここで紹介したチェックポイントなどを参考に企業研究・職種研究を進めてみてくださいね。