合同説明会で何を質問する? 質問のポイントとマナーを実例付きで解説
2024年8月22日公開
合同説明会や会社説明会での質問例と質問する際のマナーについて解説します。また昨今はオンラインによる合同説明会・会社説明会も増えています。オンラインの合同説明会ならではのマナーについてもご紹介しているので、ぜひチェックしてください。
合同説明会で質問はすべき?
合同説明会は、企業サイトやパンフレットだけでは分からないことを直接社員に聞けるチャンスです。その企業に興味を持ったのであれば、気になることを質問しておきましょう。現場の生の声を聞けるのはもちろん、企業研究・業界研究にも役に立つ話が聞けるはずです。
ただし、質問をしたからといって選考に有利になるわけではありません。合同説明会や会社説明会には多くの学生がいるため、質疑応答を利用して自己PRをしても企業の印象に残ることは少ないでしょう。それどころか、「周囲のことを考えられない自分勝手な人」という印象を与えてしまう場合もあるので、場の空気を読んで、自分が本当に確認したい質問をするようにしましょう。
昨今の合同説明会は、オンラインで行われることも増えてきています。オンラインの合同説明会は以下の2種類。
・既に録画された動画を視聴する
・LIVE配信を視聴する
それぞれのオンライン合同説明会での注意点を解説します。
既に録画された動画を視聴する場合
動画を視聴するタイプの合同説明会では、そもそも質問をすることができません。質問がある場合は、LIVE配信の説明会や面接まで待つ必要があります。どうしても先に質問しておきたい場合は、学校にOB・OGを紹介してもらうとよいでしょう。
しかしながら、オンライン説明会が普及していくにつれ、配信動画にコメントや質問ができるフォームを追加する企業が増えてくる可能性があります。
LIVE配信を視聴する場合
LIVE配信の合同説明会には、以下の2つの配信タイプがあります。
・企業の人のみ画面に映り、学生はコメントで参加できる合同説明会
・ビデオチャットツールを利用した合同説明会
■企業の人のみ画面に映り、学生はコメントで参加できる合同説明会
このタイプの合同説明会では、コメントにより質問することができます。ただし、文字数が限られているので、簡潔に質問するように心がけましょう。なお、コメントは記録として保存されるので、誤字脱字はもちろん、コメント内容にも気を付けてください。
■ビデオチャットツールを利用した合同説明会
Zoomなどのビデオチャットツールを利用した合同説明会では、通常の合同説明会のように、最後に質疑応答の時間が設けられる場合があります。
参加、質問する際は、「ネット環境」「周囲の騒音」「他の参加者との混線」に注意しましょう。
ネット環境については、視聴や質問している最中に通信が切れないよう、パソコンを「有線」で接続するのがおすすめです。スマホやWi-Fi環境で視聴する場合は、事前に通信速度などをチェックしておきましょう。
また、質問する際は静かな環境で行いましょう。周囲の音が混じると聞き取りにくくなってしまいます。同様に、混線によるノイズにも注意しなくてはいけません。
「誰かが話している時はマイクをミュートにする」
「自分の番がきてから話すようにする」
など周囲に気を配るのもマナーといえます。あいづちは声を出さず、うなずくだけにしておきましょう。
質問したいことはあるけど、どう伝えればいいのか悩まれる学生も多いと思います。ここでは以下のカテゴリー別に質問例と質問する際のポイントを紹介していきます。
・業務・仕事内容に関する質問例
・新入社員の仕事内容に関する質問例
・やりがい関する質問例
・職場の雰囲気に関する質問例
・就活に関する質問例
・業界・会社の将来性に関する質問
※オンラインの合同説明会でもポイントは同じです。
業務・仕事内容に関する質問例
・○○(部署・職種)の1日の仕事の流れを教えていただけますか?
・○○(部署・職種)で活躍するのに必要な資格やスキルは何ですか?
業務や仕事内容に関して質問する際は、「自分の希望部署・職種」を伝えてからきくようにしましょう。同じ企業であっても部署や職種によって業務内容が異なります。漠然とした質問をしてしまうと、欲しい回答が得られない可能性があるので注意しましょう。
新入社員の仕事内容に関する質問例
・新入社員にはどのような仕事が任されますか?
・入社1年目と3年目では業務にどんな違いがありますか?
・研修制度はありますか?
・どのような研修を行いますか?
・○○さんが新入社員の時に一番大変だったことについて教えていただけますか?
新入社員の仕事内容は企業によって異なります。座学やグループワークなどの研修から始まる企業もあれば、先輩の指導のもとすぐに現場で働く企業もあります。また、入社1年目に任される仕事と先輩社員の仕事内容が違う場合もしばしば。「想像していた仕事と違った」とならないように、入社してからの仕事内容も聞いておくのがおすすめです。
やりがいに関する質問例
・○○さんが入社してから1番思い出に残っている仕事について教えていただけますか?
・入社当時と比べて成長したと感じることは何ですか?
・御社で働いていて良かった思う瞬間はどんな時ですか?
・仕事に対するモチベーションはどのように維持していますか?
やりがい について質問する際は、「HOW(どんな・どのように)」を意識して質問するようにしましょう。「ある・ない」で答えられる質問は話が広がりにくく、欲しい回答がもらえない場合があります。「やりがいはありますか?」ではなく「この仕事のやりがいについて教えてください」など具体的な回答がもらえるように質問してみましょう。
職場の雰囲気に関する質問例
・男女比・年齢層についてお伺いできますか?
・御社を一言で表すとどんな言葉が当てはまりますか?
・退勤後やお休みの日はどのように過ごしていますか?
・評価制度についてお伺いできますか?
職場の雰囲気について質問する際は、少し工夫が必要です。企業も多くの学生に応募してもらいたいので、「職場の雰囲気を教えてください」と聞かれても、自社にとって不利になることは言いません。そのため、雰囲気に関する間接的な内容を質問し、推し量るのが適切といえます。たとえば、評価制度が「個人評価」の場合、成果主義で若手でも活躍できる環境があると考えられます。反対に、部署ごとに評価される場合、チームワークを重視する環境だとも考えられます。
採用選考に関する質問例
・○○さんが一緒に働きたいと思う人はどんな人ですか?
・今後の選考スケジュールについて教えてください
・インターンシップの開催予定について教えてください
合同説明会は求人サイトに載っていない情報を獲得できるチャンスです。
「現場の社員が実際に求める人物像」
「選考に関する最新情報」
など質問しておきましょう。
業界・企業の将来性に関する質問例
・○○さんが今後チャレンジしたい仕事は何ですか?
・○○さんは、5年後・10年後この業界はどう変化するとお考えですか?
・3年前と比較して、御社が成長したと思う点は何ですか?
・御社が今1番力を入れている部門はどこですか?
企業の将来性に関して、新規事業や今後の展望については社外秘になっている場合もあるので、質問をしても欲しい回答が得られない可能性があります。そのため、
「担当者個人の将来の話」
「企業の過去と現在の比較」
「今一番力を入れていること」
などを質問して、将来性を把握しましょう。
合同説明会は選考の場ではありませんが、質問する際は社会人としてのマナーを守るのも大切です。ここでは最低限押さえておきたいマナーのポイントを紹介します。
質問する前に挨拶をする
挨拶は社会人の基本です。質問する前に、「出身校」「氏名」を忘れずに伝えましょう。自分の所属を言わず、すぐ質問から始めてしまうと、ぶしつけな印象を与えてしまいます。悪い印象は良い印象よりも残りやすいので注意が必要です。また、挨拶同様、返事やお礼も忘れずに伝えるようにしましょう。
聞きにくいことを質問する際は聞き方を工夫する
「給与・ボーナス」「残業時間」「福利厚生」に関する質問はひと工夫して質問しましょう。もしこれらについて質問したい場合は、「評価の基準(給料面の質問)」「退勤後の時間の使い方(残業の有無に関する質問)」「スキルアップできる環境の有無(福利厚生に関する質問)」など間接的に聞くようにしましょう。
具体的かつ端的に質問する
「抽象的な質問」や「前置きが長い質問」は、意図が伝わりにくく担当者を困らせてしまう可能性があります。たとえば、
「御社の作品は私も拝見させていただいております。特に○○(作品名)は家族みんなが好きです。このような素晴らしい作品を生み出すのに必要な能力はなんでしょうか」
のような冗長的な質問は好ましくありません。
失礼がないよう丁寧に話しているつもりかもしれませんが、質問が長く、抽象的で意図が伝わりにくくなっています。
「作品を作る上で必要になるスキルや資格はありますか?」
など端的に質問するようにしましょう。
調べれば分かることは質問しない
企業理念や業界の基礎知識など、パンフレットやHPを見れば分かることを質問するのはあまり好ましくありません。合同説明会は時間が限られているだけなく、他の学生もあなたの質問を聞いています。そのため、みんなが参考になるような質問をするのがマナーといえます。どうしても質問したい場合は、説明会後など、個別に質問するとよいでしょう。
合同説明会で気になることを質問しておこう!
合同説明会は直接社員に質問できる数少ないチャンスです。気になることは積極的に質問しておきましょう。合同説明会は選考の場ではないので、気負わず参加してください。
なお、今後はオンライン合同説明会が増えることが予想されます。ネット環境やツールの使い方などは早めに準備しておくようにしましょう。