「就活メイクに“正解”はない」自己分析×他己分析が成功のコツ──久保井朝美さんインタビュー

「就活メイクに“正解”はない」自己分析×他己分析が成功のコツ──久保井朝美さんインタビュー

久保井朝美インタビュー
はじめての「社会人としての」メイク、就活メイク。これまでメイクに親しんできた人はふだんのメイクとの違いに、これまでメイクをあまりしてこなかった人はメイクそのものに不安を感じているのではないでしょうか。

今回は、2019年9月29日(日)に開催された「マスコミ業界仕事サミット in 東京 2021卒 #2」の「マスコミ業界 就活メイク講座」講師を務めた気象予報士・キャスターの久保井朝美さんに、ご自身の就活時の体験も含めて“就活メイクポイント”についてお聞きしました。

ナチュラルメイクは難しい。「化粧慣れしていない人は早めに練習を」

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──2019年9月29日(日)に2回行われた講座は、どちらも大いに盛り上がりましたね。まだ化粧っ気のない、素朴な参加者が多く見受けられたのが印象的でした。

久保井さん(以下、久保井):そうですね。メイク自体に不慣れな方は、できるだけ早めに就活メイクの練習をしてほしいな、と思います。加減がわからなくて、ついやりすぎちゃうケースが見られるんですよ。

講座でもお話しましたが、就活メイクのポイントは“ナチュラルメイク”なので。ナチュラルメイクって、実はおしゃれなメイクよりも手が込んでいたりして、難易度が高いんですよね。

──自然に見せながらも、手を加えるべきところにはきちんと加えるという匙加減が、でしょうか。

久保井:はい。どうしてもメイクって隠す目的をもってしてしまう人が多いんです。そうすると、どうしても足すばかりになってしまい、結果厚塗りになってしまったり、濃くなりすぎてしまったりするんですね。とはいえ、引くばかりがナチュラルメイクではないので、難しいんです。

──講座では、「自分らしさを活かして自信を持つためのもの」だとおっしゃられていましたね。

久保井:そうなんです。就活メイクは、自分を飾り立てるのではなく、引き立たせるものだと思っています。メイクで自信を持てると、気持ちまで変わります。その自信が表情の豊かさや喋り方にも表れる相乗効果を生むんです。

「正解」を求めすぎた結果辿り着く「無難」は、自分を引き立てるものではない

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──今回のメイク講座は、マスコミ業界志望者向けと冠していました。とはいえ、内容自体は全業界に通ずる部分があったと思います。マスコミ業界志望者向けに絞った場合、たとえば「他業界よりも華やかでもOK」といった違いはあるのでしょうか。

久保井:あると思います。もちろん、やりすぎた派手メイクはNGですが、他業界よりも多少パールやラメが入っているシャドウをしていても受け入れられやすいですね。

あと、メイクではないですが、スーツもマスコミ業界を受ける人は色のバリエーションが豊かです。わたしもベージュ色のスーツを着ていました。

──いわゆる黒いリクルートスーツじゃないとダメ、といった雰囲気がないんですね。

久保井:そもそも、黒いリクルートスーツも、みんながみんな間違えたくない意識から同じものになっていってしまっている部分もある気がします。エントリーシートもそうですね。どうしても「正解」を出さなければならないと思っている学生さんが多いと感じています。

──みんな「就活メイク 方法」で「正解のメイク」を調べようとしている、といったことでしょうか。

久保井:そうです。情報が溢れているからこそ、そのなかから正解を選ばなければならないと思っちゃう。でも、メイクって正解はないんですよ。

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──就活メイクにおいても?

久保井:はい。だって、みんな顔の作りは違いますよね。なので、その人に合ったメイクも違うはずなんです。ある程度のセオリーはあっても、唯一絶対的な正解はないと思っています。

メイクアイテムの選び方もそうです。わたしも雑誌やInstagramで発信していますが、わたしがいいと思っているものが万人にいいわけではないので。そうした点においては、最近ではドラスト系コスメ(※ドラッグストアで販売されているコスメ)など、手軽に買える値段でいいものがたくさんあるので、実際に試してみてほしいなと思います。

「もともとは、アイラインがっつりメイクだったんです(笑)」──久保井さんの就活時代

──気象予報士・キャスターとしてお仕事をされながら、就活メイク講座の講師も行っている久保井さんですが、ご自身が就活生だった頃に、メイクで失敗しちゃった経験はあるのでしょうか。

久保井:本番では、「あー、ちょっと抑えすぎちゃったなあ」といった程度の失敗で済んでいます。でも、納得がいっていないメイクだと気持ちの下降に繋がるため、やっぱり失敗はない方がいいですね。あと、就活が始まる前とはメイクが大きく変わりましたよ!

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──就活が始まる前ですか?

久保井:はい。メイクを教わったことがないまま就活に突入したため、わたしは親やアナウンススクールの講師の先生に見てもらい、感想を聞いていたんです。そのときに、両方から指摘されたのは、アイラインの太さでした。当時、モデルの蛯ちゃんメイクが流行っていたんですよね。

──アイラインをしっかり引いて、目尻から飛び出すようなメイクですね。

久保井:そうです。で、親にも講師の先生にも同じ指摘をもらったので、細く変えました。変えたあとに祖父母にも見せて「メイクを変えてみたんだけど」と言うと、「そっちの方がいいんじゃない?」と言われて。ああ、面接官世代に受けるメイクはこっちなんだな、と思わざるを得ませんでしたね(笑)

──客観的な視点を大切にされていたんですね。

久保井:それも、世代の異なる人からの視点ですね。同世代の友達に見てもらうと、似通った価値観なので「いいじゃん!」となってしまう可能性が高いんです。その点、世代が異なると思わぬところを褒められたり、逆に指摘されたりするので。

面接で相手になるのは、基本的に両親・祖父母世代の方です。そうした意味においても、客観的な判断をしてもらうのは大切だと思っています。

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さっき、就活時にベージュのスーツを着ていたと言いましたが、あれも店員さんや母に一緒に見てもらって決めたんです。ただ目立つために選んだのではなく、自分の顔が1番明るく見えるものを選びました。スカートやスーツの丈も、どれが1番わたしをよく見せてくれるだろうという視点で吟味しましたよ。

──なるほど。ストレートに忌憚ない意見を言ってくれる相手に聞くとよさそうですね。

久保井:同年代の方に聞くなら、就活セミナーで1回しか会わないような人の方が、第一印象のまま答えてくれるのでおすすめですね。

異なる価値観を持つ人からの視点が大切なのは、わたし自身の仕事でも実感しているんです。ある日、ジェルネイルの取材で爪を青に塗ってもらったんですが、特に何も思わずそのまま別の番組に出たんですね。そこで映された手元のアップの映像を見た視聴者から、クレームがきちゃったんです。

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──「あの青い爪はどういうことなんですか!?」みたいなものですか。

久保井:そうです。年配の方からのクレームで、「ああ、そういう感じ方もあるのか」と思いました。収録現場にいた人たちは、みんな問題視しなかったんですよね。テレビ業界にいる人間同士、似た価値観を持っているからでしょう。客観的判断って難しいんですよ。だから、学生さんも友達だけではなくて、教授やバイト先の店長、先輩など、さまざまな人に意見をもらうことをおすすめしたいです。

証明写真や動画面接時のメイクについて

──証明写真を撮りに行くときや、動画で面接を受けるときのメイクで、気を付けた方がいい点はありますか?

久保井:動画は対面面接と同じで大丈夫です。ただ、目の前に人がいない分、表情が硬くなってしまうことがあるため、目の前にいる面接官をイメージできるといいですね。あと、話すペースにも注意が必要です。

久保井さんの表情は、終始柔らか

自己分析と他己分析で自分が引き立つ就活メイクを

多くの就活生が、失敗がないようにと思うあまり、「正解」を求めすぎてしまう部分があります。結果、無難さを突き詰めてしまう結果に繋がることは珍しくありません。

「就活メイクには正解はないんです」と朗らかにお話してくださった久保井さん。自己分析と他己分析とを合わせて行い、自分に自信が持てるメイクを身に着けてほしいという言葉が印象的でした。

別の記事では、就活メイク講座の内容もレポートしています。ぜひ参考にしながら、自分らしさを引き立てられるメイクを模索してみてくださいね。

久保井さんプロフィール
久保井朝美(くぼいあさみ)
気象予報士・キャスター
1988年9月20日、愛知県生まれ。
誕生日が「空の日」であることから、空の世界に興味を持つ。
農業の経験や、情報番組の天気コーナーを担当したことから、気象と生活や経済の密接な関係を実感し、気象予報士の資格を取得。
「子どもからお年寄りまで分かりやすく、役立つ天気や災害の情報・知識を発信したい」という思いで、お天気キャスターとしてテレビやラジオに出演。歴史が大好きで、趣味で「日本100名城スタンプラリー」をしている。好きなお城は松本城、好きな歴史上の人物は加藤清正。
現在、TBS「ひるおび!」、TOKYO MX「モーニングCROSS」、ラジオNIKKEI「ハート&ライフ~ありがとうを言わせて~」レギュラー出演中。

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