グラフィックデザイナーとは?仕事内容、スキル、資格を解説

グラフィックデザイナーの仕事に就きたい!知らないと損する業界・就職先について詳しく説明
伝えたいメッセージを画像や写真、文字などのデザインを通じて表現するグラフィックデザイナー。商品の魅力を消費者へストレートに伝えるデザインのプロとして、雑誌や看板広告、ポスター、パッケージ、ロゴなどの制作といった、活躍の場が多く用意されている職種です。またゲーム業界においては、2Dや3D技術を駆使しキャラクターや背景のデザインを手掛けることもあります。

そんなグラフィックデザイナーが手掛ける仕事の幅は、インターネット環境の普及によってますます広がりを見せており、就活生の間でも人気を集める職業の1つとなっているようです。

そこで今回は、グラフィックデザイナーの仕事内容とグラフィックデザイナーになるための方法、就職先などについて詳しく解説していきます。

グラフィックデザイナーの仕事内容

グラフィックデザイナーは、クライアントの意向に沿って紙媒体やWEBサイトに掲載する広告・パッケージを制作したり、ゲーム業界においてキャラクターや背景などのデザインを手掛けたりするのが主な仕事。クライアントのニーズをしっかりと汲み取りデザインを仕上げて納品まで行う必要があるため、コミュニケーション力やスケジュール管理能力が必要とされる職種でもあります。

日々新しいことに挑戦していく仕事のため、「刺激がある」、「飽きることがない」と語るデザイナーも多く、自分次第で仕事の幅や可能性をどんどん広げていくことが可能です。

時には大きな看板広告を手掛けたりCG作品が世に出回ったりすることもあり、多くの人に自分のデザインを見てもらえることが大きな魅力だと言えるでしょう。

Webデザイナー/イラストレーター/アートディレクターとは何が違う?

Webデザイナー/イラストレーター/アートディレクターとは何が違う?
就活生の中には、グラフィックデザイナーという言葉からWebデザイナー・イラストレーター・アートディレクターといった言葉を連想する人もいるかもしれません。
これらは「デザインに関わる仕事」という共通点はあるものの、それぞれ異なる特徴を持っています。

Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザインやレイアウトを考えるのが主な仕事です。デザインの美しさやオシャレさだけではなく、ユーザーの使いやすさを考慮してコンセプトに合ったWebサイトを作成することが求められます。

専門的なスキルを習得するグラフィックデザイナーに対し、Webデザインは専門学校や大学などに通わずとも比較的スキルを習得しやすく素人でも参入しやすいのが特徴。最近ではWebデザインを指導してくれるカルチャースクールやセミナーなども増えています。 デザインに加えてディレクションやプログラミングスキルなどを学べば高額収入も期待できるため、主婦や会社員の副業としても人気です。

イラストレーター

グラフィックデザイナーはillustratorやPhotoshopを使ってデザインを製作し、プロモーションメッセージを伝える仕事ですが、イラストレーターはイラストを描くことに特化した職種です。

イラストの提供先は、出版物や広告の挿絵、表紙などがメインとなり、制作ツールも水彩やパステルで書いたものからコンピューターグラフィック、スマホやタブレットでの手書きデザインなど様々です。

イラストレーターを志望する人は多いですが、成功するのは狭き門であり、生計を立てられるだけの収入を得ている人は一握りとも言われています。最近では、グラフィックデザイナーとイラストレーターのスキルを掛け合わせた人材が重宝される傾向にあるようです。

アートディレクター

アートディレクターとグラフィックデザイナーでは立ち位置が異なります。

グラフィックデザイナーは写真や文字を使ってデザインするのが仕事ですが、アートディレクターはデザイナーたちが制作したデザインを確認、修正するのがメインです。アートディレクターが実際に手を動かしてデザインを担当することはほとんどありませんが、デザイナーへ的確にアドバイスをするための幅広い知識やスキル、コミュニケーション力は求められます。

一般的には、実績と経験が豊富なグラフィックデザイナーが昇格してアートディレクターとなるケースが多く、新入社員が入社後にいきなりアートディレクターに就任するといったことは極めて稀です。

グラフィックデザイナーになるには?

グラフィックデザイナーの仕事に就くためには、専門学校や大学で知識やスキルを習得するのが通常ルートです。

専門学校

専門学校ではグラフィックデザイナーに必要なデザインスキルを2~3年で習得することが可能となっています。ゲームのグラフィックデザイナーを目指す場合には、2Dだけではなく3Dのスキルも習得できるような学校を選ぶのがおすすめです。

専門学校では、学べるスキルや知識によって学科を細かく分けているところもあるため、自分の習得したいスキルや将来像を明確にしてから学校選びを始めるのがよいでしょう。

大学

美術系の大学でもグラフィックデザイナーのスキルを身に付けることができます。専門学校とは異なる点として、一般教養の授業が学べるのが大学の魅力の1つでしょう。そのため、グラフィックやデザイン以外のスキル(英語、心理学、哲学、情報処理など)を身に付けることが可能ですし、万が一進路変更することになった場合に一般企業(デザイン系以外)への就職も手厚くサポートしてくれる場合があります。

そのほかのルートとしては、独学や未経験で業界に飛び込むといった方法もあります。 しかし、専門学校や大学で学ぶようなハイレベルなスキルを持っている、また有名コンペでの受賞経験があるなど、特筆するアピールポイントがない限り入社すること自体が極めて難しい業界だということは知っておきましょう。

グラフィックデザイナーの適性

グラフィックデザイナーの適性
グラフィックデザイナーの仕事には、デザインスキルだけでなく「商品の魅力を伝え売り込む力」や「アイディアを生み出す力」、「想像力」が必要となります。

そのため、

日頃から世の中のあらゆる事象に興味・関心を持てる人
周りが考えつかないような斬新なアイディアを提案できる人
自分なりに知識や技術を高めていこうとする向上心のある人
人が抱えるニーズや不満をデザインで解決したい人
コミュニケーション力がある人

に向いている職種だと言えます。

グラフィックデザイナーは、「一度スキルを習得すればそれで終わり」という仕事ではなく、常に最新の技術を学び続けることが大切。一見すると花形に見えるデザインの仕事ですが、スキルアップを怠らず地道な努力を重ねていける人が活躍できる職種なのです。

グラフィックデザイナーに求められるスキル・資格

グラフィックデザイナーになるために特別な資格は必要ありません。

しかしグラフィックデザイナーを目指すのであれば、必要最低限の知識・技術として

Photoshop、illustrator、InDesignといったデザインソフトを使いこなせること
よりリアルなグラフィックを制作するためのデッサン能力があること

が求められます。

さらに、

色彩検定
カラーコーディネーター
illustrator/Photoshopクリエイター能力試験
CGクリエイター検定

などの関連資格を取得しておくことは、採用時に大きな武器となる可能性が十分にあります。
グラフィックデザイナーは日々スキル向上が求められる仕事のため、資格を持っておくことで「向上心」や「チャレンジ精神」などのアピールにも繋がるでしょう。

グラフィックデザイナーを目指す人の面接攻略法

デザイン系の就活において、デザインスキルや資格は重要なファクターの1つですが、それに加えて応募または面接時の「ポートフォリオ」の提出も忘れてはなりません。

近年では企業側が就活生の制作物を重視する傾向にあり、自分の作品をまとめたポートフォリオはグラフィックデザイナーを目指す人にとってもはや必須のアイテムです。ポートフォリオがあれば、自身のデザインスキルや制作に取り組む姿勢をアピールするための材料となりますし、他の就活生との差別化を図ることもできます。

またポートフォリオ以外に、グラフィックデザイナーの面接を攻略するには自己分析や企業研究も大切。
「グラフィックデザイナーとして何を実現したいのか?」、「なぜグラフィックデザイナーでなければならないのか?」といった点を明確にし、企業に自分を売り込むためのメッセージを作りこみましょう。
ただ単に希望や想いを語るのではなく、具体的なエピソードを添えて話を構成していくと、面接官の興味をグッと惹きつけることができます。

デザイナーという職種は「自由で何でも許される」といったイメージが先行しているところがありますが、グラフィックデザイナーは基本的にクライアントと共にデザインを構築していく仕事となります。そのため採用面接においても奇抜さやオシャレさを強調するのではなく、清潔感・誠実さが伝わるような身だしなみにすることが大切です。

特に最近はコロナ禍でオンライン上での面接が主流となりつつあります。オンラインだからよく見えないだろうと気を抜かずに、髪型やメイク、シャツのシワなど細かい点に気を配ったり笑顔を意識したりするなど、「いかに面接官に好印象を残せるか」が面接を攻略するカギとなるでしょう。

グラフィックデザイナーの就職先

グラフィックデザイナーの就職先
グラフィックデザイナーの主な活躍の場としては、

・広告代理店
・メーカーの広報部
・プロダクション
・印刷会社
・ゲーム会社
・スマホアプリの開発企業
・映画、アニメ制作会社

などが挙げられます。

紙媒体のデザインは縮小傾向にあるとも言われていますが、その一方でインターネット広告などの電子媒体の業績は好調であり、紙媒体だけでなくWeb業界にも強いマルチなグラフィックデザイナーの需要は非常に高まっています。

特に最近ではスマホゲームが流行していることもあり、ゲームのキャラクターや背景、アイテムなどをデザインする2Dのグラフィックデザイナーの人気は右肩上がり。それに加えて3DCGの技術があれば、VRやアニメ、映画業界で活躍することも夢ではありません。

グラフィックデザイナーの雇用形態

グラフィックデザイナーの雇用形態としては、正社員採用で働く人もいれば、契約社員、派遣社員などで働く人など様々。実績を積んだ後にフリーランスとして独立するデザイナーも多く、企業と業務委託契約を締結し、仕事を受注しているグラフィックデザイナーもいます。
実力次第で、収入や知名度をグンと伸ばせる職種のため、やりがいは非常に大きいと言えるでしょう。

まとめ

今回の記事ではグラフィックデザイナーの仕事内容や就職先などを詳しく解説しました。
グラフィックデザイナーは平面デザインのみならず、ゲーム分野や3DCG領域での活躍も期待されており、今後ますます需要が高まる職種の1つ、と言っても過言ではありません。

日々変わりゆく業界の動向をチェックしスキルアップし続ける向上心が重要な仕事であるため、学生時代からマルチスキルの習得に心血を注ぎ、採用面接において企業から選ばれるグラフィックデザイナーを目指しましょう。

同じカテゴリーの記事