「ゲームプログラマー」は、設計書の仕様に沿ってゲームが動くようにプログラミングするのが主な仕事。専門的なプログラミング知識が必要とされる仕事で、求められることを的確に処理するスキルが求められます。
「ゲームデザイナー」はキャラクターやアイテムなど作品に登場する絵のデザインをメインに担当します。豊かな発想力と高い表現力がなければ務まらない仕事であり、デザイナー自身のセンスや感覚も非常に重要です。
「ゲームプランナー」は企画を立案し、仕様書の作成の専門家。プランナーは作品のイメージやコンセプトを決める重要なカギを握っているため、ゲームディレクターやゲームプロデューサーが兼任することもあります(会社やプロジェクトの方針によって異なる)。
つまりゲームディレクターは開発部門の全体を指揮するのが仕事である反面、ゲームプログラマーやゲームデザイナー、ゲームプランナーはそれぞれ専門の領域のみを担当する点が大きく異なります。例えるなら、ゲームディレクターは「開発部門」というパズル全体を俯瞰して見る人、プログラマーやデザイナー、プランナーなどはパズルを構成する1つひとつのピースと言えるでしょう。
新卒で「ゲームディレクターになりたい」と思ってゲームの制作会に入社しても、いきなりゲームディレクターに抜擢されるケースは残念ながらほとんどありません。そのため、まずは「自分はゲーム開発においてどの分野を極めたいのか?」という点を明らかにしておく必要があります。その上で、必要なスキルを身に付けられる学校を選ぶのが最も効率的なルートとなります。
たとえば、ゲームプログラマーやゲームクリエイター、グラフィックデザイナーなどは専門学校において約2~3年でスキルを習得することが可能となります。
専門学校では、現場ですぐに活かせる実践力を重視した教育プログラムで最先端の知識や技術を身に付けられるのが最大の魅力。現役でゲーム業界に勤めながら講師業を兼ねている指導者も多く、的確なアドバイスを貰うことができるのも特徴の1つと言えるでしょう。また、ゲーム関連企業への就職実績も豊富で、ゲーム業界で活躍するOBOGを数多く輩出している点も見逃せません。
しかし一方で、大手ゲーム企業に就職するためには大学のほうが有利であるという声もあります。大学は専門学校より1~2年ほど長く在籍する必要があるものの、その分美術やグラフィック、プログラミングなどじっくりと専門的な知識を学べる以外に、心理学やマーケティングといった教養も習得することもでき、学科と一般教養の知識をバランス習得できるのがメリットです。加えて4年間を通してサークル活動やボランティアに取り組むなど、勉学以外に励めるのも大学の良いところ。人生を豊かにする貴重な体験に時間をたっぷりと使えるため、就活時の自己PRや志望動機に記載できるようなエピソードをたくさん得られるはずです。
いずれにしても、自分のなりたい姿や目標に合った学校を選ぶことが大切ですので、それぞれのメリットやデメリットを十分に比較・検討した上で進路を決断するようにしましょう。卒業後は、プログラマーやデザイナーという形でゲームメーカーなどに就職し、スキルと経験を積むことがゲームディレクターに近づく第一歩となります。
先述したように、ゲームディレクターは開発部門全体を見通し、多くのスタッフを1つの目標に向かって導く仕事。そのためゲームディレクターの適性としては「体力と精神力」「コミュニケーション力」「リーダーシップ」が何よりも重要です。
そもそもゲームディレクター自体が、開発部門のスタッフとして長い下積み時代がなければ務まらない仕事ですので、専門性を極めようという強い想いとハードワークに耐えられる健康な身体がなければ、ディレクターの選考舞台にさえ立てないことになります。そのためゲームディレクターのポストを見据えるのなら、新入社員時代から与えられた仕事をしっかりとこなし、少しずつスキルを磨いていくことが大切です。
コミュニケーション力とリーダーシップに関しては、日々業務をこなしていく中で十分に培っていける能力でもあるため、今の段階で完璧に出来なくても心配になる必要はありません。これらの適性が足りないことに関して「自分には向いていない」と諦めるのではなく、積極的にスキルを獲得していこうとする姿勢が求められます。
ゲームディレクターは、長年その会社で実績や経験を積んだ社員が抜擢されるケースがほとんどのため、雇用形態は正社員であることがほとんどです。ゲーム関連のプロジェクトは案件によって忙しさに波があるものが多いのが特徴ということもあり、正社員雇用ではフレックスタイム制やみなし労働時間制などを取っている企業が多数あります。比較的時間の自由がある職種だと言えるでしょう。
ただし、スケジュールが押している場合には長時間労働や休日出勤となる場合もあり「毎日定時で帰りたい」「土日は休みがいい」といったようにオンオフをしっかり切り替えたい人には厳しい仕事かもしれません。
一方で実力や人気のあるディレクターの中には、フリーランスや会社経営者となり、活躍の場を広げられるような人もいます。正社員ほど安定はしていませんが、実力次第でどんどん上を目指せるため、ヒット作に恵まれれば大きな収入を得ることも夢ではないでしょう。
今回の記事では「ゲームディレクターになりたい」、「ゲームディレクターに興味がある」といった就活生に向けて、ゲームディレクターの仕事内容や目指し方について詳しくご紹介しました。
ゲームディレクターは新卒ではなかなか目指すことの出来ない職種ではありますが、現場でコツコツとキャリアを磨くことで道が拓けることは間違いありません。将来ゲームディレクターにチャレンジしてみたいという意欲のある方は、学生のうちからリーダー経験を積んだり、関連するスキルを身に付けたりして、日々研鑽を積んでおきましょう!