就活生の中でも圧倒的な人気を誇る「広告・映像業界」。華やかで面白そう!というイメージを持つ学生も多く、常に若者たちを魅了する「憧れの職業」の1つでもあります。
しかし一言で「広告映像業界」と言っても、その中には多種多様な企業形態や職種があり「どんな分野を目指したいのか?」「将来何を実現したいのか?」などによって目指すべき方向性が異なります。そのため広告映像業界に就職したいと考えるのであれば、まずは業界内に存在する様々な企業形態および職種を理解することが重要です。
『どんなポジションで仕事をしたいのか』が明確に描けるようになると、その企業・職種が置かれている業界の環境や市場シェア、最新事情などをよりキャッチしやすくなり、就活がよりスムーズに進みます。
そこで今回は、「広告映像業界の仕事や職種」「業界研究の方法」などについて詳しく解説していきます。
広告映像業界の仕事は、主に「広告」「テレビ」「ラジオ」などの媒体を利用し、商品やサービス、アイディアなどを世の中に伝えること。最近ではインターネットを利用した「ウェブ媒体」も登場しており、インターネット広告やSNS動画などもそのジャンルに含まれるようになってきました。
広告・映像の分野を担う企業としては「広告代理店」「制作会社」「メディア」といったものがあり、それぞれ担当する分野や強み、特徴などが異なります。
各企業の特徴は、次の通りです。
広告代理店の役割を端的に表すならば「広告を出したい人・企業(広告主)」と「広告枠を持つ企業」を繋げること。広告枠を持つ企業とは、主に新聞や雑誌、テレビなどを指しますが、近年はウェブメディアへのアプローチも積極的に行っています。
広告代理店は
・企画から制作までを一貫して請け負う「総合広告代理店」
・特定の分野・メディア(新聞広告、交通広告など)に特化した「専門広告代理店」
・特定企業の専門広告を手掛ける「ハウスエージェンシー」(大企業の子会社であることが多い)
など、扱う範囲やジャンルによって細かく分類がされています。
各社ごとに持っている強みや特徴が異なりますので、広告代理店への就職を志望している就活生は「自分が志望する企業がどの形態に該当するのか」をしっかり見極めておくことが大切です。
「制作」という名前の通り、消費者が目にする「ポスター」や「映像」などの制作を実際に手掛けるのが制作会社です。
広告代理店とタッグを組んで広告を制作する場合には、依頼主である企業の商品やサービスがヒットするように互いに知恵を出し合いながら一つの作品(キャッチコピーやデザイン)を仕上げていきます。
一方で映像をメインとする会社では、企画や構成を考える段階からスタートし、放送作家やカメラマン、音響、照明など各部門のスタッフと連携しながら映画やテレビ番組などを制作するのが主な仕事。時には、個人向けのセミナー動画や結婚式のビデオなどを撮影するときもあります。また最近では動画広告やSNSに載せる企業のPR動画などを手掛けるケースも増えてきているようです。
スマートフォンの普及やYouTubeなどの動画サービスの一般大衆化によって新たな映像コンテンツが生まれる昨今、制作会社の需要はますます伸びており、今まで以上に幅広いジャンルや対象への広告映像制作が期待されています。
制作会社で作られた広告やCMを消費者のもとへ届けるのは「メディア」の仕事です。最近ではウェブ媒体もかなり影響力を増してきましたが、まだまだテレビ番組やテレビCM、雑誌広告などが世の中へ与える力は無視できません。
ただしメディアと言っても、その中身は「アナウンサー」や「レポーター」などの表に出る仕事から、「シナリオライター」「プロデューサー」「カメラマンなどの技術職」といった裏方にあたる仕事まで実に多種多様で、仕事の内容や特徴もそれぞれ異なります。
メディアへの就職は、どんな職種を目指すのかによって、求められるスキルや学歴、選考プロセス、キャリアパスなどが変わってくるため、「メディア」という大きな括りで捉えるだけでなく、一歩踏み込んだ視点で仕事を分析していくことが必要となります。
広告映像業界の主な職種には
・制作・技術職
・企画職
・営業職
・媒体職
といった4つがあります。
広告映像業界における技術職は、デザインやセールス・コピーライティング、撮影、編集といった「クリエイティブ部門」を担当するのが主な仕事です。
制作時には、デザイナーやライター、カメラマンや照明、音響、編集など各部門のプロフェッショナル達が集まり、「どうすれば多くの消費者の目に留まるか」を考えながらポスターやCM、動画などを手掛けていきます。
職種は細かく分かれているものの、いずれの職業も「クライアントの意向を的確に表現する」ことが求められる難しい仕事であり、「クリエイティブな発想」や「想いをカタチにするスキル」が必要となります。
広告は、競合他社とのコンペで競われるケースも少なくありません。 厳しい競争に打ち勝つためにはクライアントの意向をキャッチし「どうすれば魅力的で影響力のある広告になるのか」「限られた予算やスケジュールの範囲でどうしたら最大のパフォーマンスが発揮できるか?」といった視点が重要になりますが、こうした事前リサーチやプランニングを担うのが企画、マーケティング職の役割です。
広告が巷に溢れる中、より多くの消費者の目に留まる広告にするためには、「リサーチ」や「マーケティング」の力が必須であり、時にはデータや統計なども使いって論理的に分析していく力が求められます。またクライアントとの円滑なコミュニケーションを図るための「会話力」や「提案力」なども必要です。
営業の仕事は、広告業界ではアカウントプランナーという呼ばれ方をする場合もあります。 職種的には、見込み客へ「広告を出さないか?」という営業をかけたり、広告を出すことが決まったクライアントへ予算やニーズをヒアリングしながら、提案を出していくのが主な仕事です。
営業のみで仕事が完結することはほとんどなく、企画職や技術職の人たちと対話を重ねながら一つの作品(広告)を制作していくことになるため、交渉能力やプレゼン力に加えて関係者との信頼構築が欠かせません。
媒体職は、広告枠を持つ企業(新聞社、テレビ局、ウェブメディアなど)とコンタクトを取りながら、クライアントの広告がメディアへスムーズに提供されるよう準備を整えるのがメインの仕事。
メディアにはそれぞれ特徴があり、広告との相性もあります。たとえば「若い人向けであれば、SNS広告やウェブ動画」「年配の方向けの商品であれば新聞広告」といったように、対象者やニーズに合わせた媒体のセッティングが重要となります。
媒体職では世の中のトレンドや流れに対して常にアンテナを立てておく必要があり、とりわけ「時代の潮流を読む力」や「情報収集力」などが求められる仕事と言えるでしょう。
ここまで映像広告業界の企業形態や職種について説明していきましたが、広告映像業界の構造はやや複雑なこともあって「全体像を掴みにくい」「いろいろあってよく分からない」と感じる人もいるのではないでしょうか?
広告映像業界を志望しているけれど、どのように業界研究をすればよいか迷ったときには、まず次のような項目から見ていくのがオススメです。
・どんな企業があるのか?
・事業はどのような内容で展開されているか?
・どんな部門・職種の人たちによって業務が支えられているのか?
・業界の市場シェア率や売上高などは時代とともにどう変化しているか?
・現在のトレンドや傾向にはどのようなものがあるか?
・企業そのものや、職種自体の将来性はどうか?
・キャリアパスはどうなっているか?
業界研究をする目的には、「その業界を詳しく知る」というだけでなく「自分が思い描いている仕事のイメージと現実のギャップを埋める」という意味もあります。
特に広告映像業界は華やかなイメージばかりが取り上げられる傾向にありますが、実際にはコツコツと努力を重ねていく仕事でもあり、深く調べていくうちに「イメージと全く違った」という感想を持つケースも少なくありません。
つまり業界研究を重ねることは「本当にこの業界・職種が自分に合うのかどうか」を見極めるための重要な手掛かりになるわけです。
広告映像業界の仕事については、
・ネット上の記事
・四季報、業界研究などの書籍や雑誌
・新聞、雑誌
・SNSやYouTube
などでも知ることが出来ますので、就職活動が本格的に忙しくなる前から、少しずつ情報収集をしておきましょう。
広告映像業界に関する情報を得るためには、上記で紹介したもののほかに「就活サイト」を利用するという方法もあります。
「就活サイト」は、求人が掲載されているだけでなく、就職に関するお役立ちコラムやイベント、説明会などを実施していることも多く、効率的に就活を進める上で便利なツール。
とはいえ、ネットで検索すると様々な就活サイトが出てくることもあって「どれを選んだらいいのか分からない」と思う方もいることでしょう。
そんな時には、広告映像業界に強い就活サイト「クリ博ナビ」がオススメ!
クリ博ナビでは広告・映像業界等のクリエイティブな業界に特化した求人が掲載されているだけでなく、サイト上に掲載されるコラム記事や定期的に実施される説明会・セミナーを通して、業界の動向をチェックしたり、業界内で働く人の実話などを聞いたりすることができます。
昨年に続き2021年もコロナ禍で就職活動が大変な時期ではありますが、クリ博ナビではオンラインで開催されるコンテンツも多く、「3密」を避けながら安心して就活に臨める他、遠方に住む学生も気軽に参加可能できるようになっています。
今回は、広告映像業界の仕事内容や職種、業界研究の方法などについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか?
広告映像業界には多種多様な企業や職種が存在していますが、その一つひとつがとてもユニークかつ魅力的です。広告映像業界を志望する就活生の多くも、これから業界研究や企業研究を進めていくにしたがって、その面白さや仕事の奥深さにさらに惹き込まれていくに違いありません。
今回の記事を読んで「もっと広告映像業界について詳しく知りたい!」と思ったら「広告映像業界セミナー」などのイベントや企業説明会などで「企業の生の声」を聞ける機会をぜひ積極的に活用してみてください!