面接でマナー違反の立ち居振る舞いをすると、マイナス評価になってしまうこともあります。そうならないためのポイントをお伝えします。
面接は自分をアピールする大切な場ですが、社会人・就活生として当たり前のマナーができていなければ、面接官に悪い印象を与えかねません。面接に向かう前に、次の2つの基本的な就活マナーをおさらいしておきましょう。
1. 身だしなみを整える
2. 訪問する時間を守る
服装が社会人として不適切なものであったり、服の着こなしや髪型が不潔に感じられるものだったりすると、大半の面接官はあまり良い印象を持ちません。少しでも悪い印象をもたれないようにするためにも、身だしなみはきちんと整えてから面接に臨みましょう。
■リクルートスーツを着用
男性も女性も、リクルートスーツに代表される落ち着いた色のスーツに白いシャツを合わせるとよいでしょう。自分の身体に合っていないサイズを着ると見た目にも違和感がありますので、スーツを購入する際には必ず試着しておきましょう。また、髪型も清潔感のあるものにしましょう。
■小物にも注意を
腕時計は時間を知るためにもつけておいたほうがよいですが、高価すぎるものや華美なもの、スポーティーすぎるデザインのものなどは避けたほうが無難です。
時間を守ることは、ビジネス社会では最重要マナーの1つ。約束した時間はしっかり守り、相手の信用を失わないようにしましょう。
■面接会場には15分前に・受付は10分前に
面接の場合、面接開始時間の10分前に受付を済ませるのがベスト。会社の建物に到着してから受付の場所までの移動時間もかかりますので、15分前には面接会場に到着できるようにスケジュールを組んでおきましょう。
■到着が早すぎた場合
到着が早すぎてしまった場合は、会社周辺や最寄り駅周辺のカフェや公園などで面接までの時間を過ごしましょう。到着する時間は早ければ早いほどよいと思われがちですが、到着があまりにも早すぎるとかえって先方に迷惑をかけてしまいます。
早く着いてしまった場合は、近くのカフェなどで、エントリーシートの内容を見返したり、想定される質問の答えを考えたりと、面接までの時間を有効に使って調節しましょう。面接のイメージを振り返っておくことも大切です。
■万が一遅れてしまった場合
万が一、電車遅延などで遅れる場合は必ず電話で担当者に連絡しましょう。遅れる理由と到着する時間、謝罪の言葉を忘れずに伝えるようにします。
面接会場に到着してからは、いよいよ面接本番。面接会場に入ってから面接終了までの各シーンで気をつけるべきマナーのポイントをご紹介します。
1. 受付
2. 面接までの待機時間
3. 面接を受ける部屋への入室
4. 面接中
5. 面接を受ける部屋からの退室
それぞれのシーンごとのマナーをご紹介します。
面接予定の時刻の10〜15分前に面接会場の建物に到着したら、まず受付に向かいましょう。
■コートは建物の外で脱いでおく
コートを着ている場合は建物の外で脱いで、きれいに畳んで腕にかけてから建物の中に入るようにします。
■受付では簡潔に面接の要件を伝える
受付では、「大学名」「氏名」「どのような要件で」「誰に会いに来たのか」を伝えましょう。
例
「本日×時に◎◎部の●●様と面接の約束をさせていただきました、〇〇大学の△△と申します。」
簡潔に伝えるようにしましょう。受付をしてくれた人が対応してくれるので、次の案内があるまで落ち着いて待ちましょう。
受付を済ませると、すぐに面接を受ける部屋に案内されるわけではなく、多くの場合控え室や面接を受ける部屋の近くの待機場所に案内されます。
■面接までは姿勢をただし静かにしておく
待機中もその会社の社員や関係者の目がありますので、大声でおしゃべりをしたり、スマートフォンや携帯電話をいじったりしないように心がけましょう。姿勢を正し、配布された資料に目を通すなど静かに過ごすようにしてください。
面接を受ける部屋に案内されたら、いよいよ面接本番の始まりです。入室時の印象はその後の面接内容に影響を与えるのでできるだけ丁寧に入室をします。
ノックの仕方
以下の手順でノックをして入室しましょう。
1. 3回ノックをする
2. 部屋の中から「どうぞお入りください」など案内を待つ
3. ドアを開けて入室します。
まず、面接を受ける部屋のドアが閉まっている場合、必ずノックをしてからドアを開けるようにしましょう。日本の場合、入室してよいかを確認するノックの回数は「3回」です。
■ドアがない・開いている場合
面接を受ける部屋にドアがない場合やドアが開いている場合は、ノックは不要です。ノックをせずに入室してもよいか言葉で確認しましょう。ドアの開閉をおこなう前に、「失礼します」と言葉をかけてから入室します。
■ドアの開け方
ドアノブがある開き戸の場合、ドアノブが左にある場合は右手で、ドアノブが右にある場合は左手でドアを開けると、スムーズにドアを開けることができます。
ドアを開けた後は、簡単な挨拶をしてお辞儀をし、面接官のほうに完全に背を向けないようにしながら、開けた手と反対側の手でドアノブを持ちドアを閉めます。ドアが完全に閉まるまでドアノブに手を添えておくと、ドアが静かに閉まるので雑な印象を与えずにすみます。
引き戸の場合も取手が付いている方向と反対の手で取手を持ってドアを開けると、一連の動きが美しく見えます。ドアが入室時にすでに開いていた場合は、ただ単に面接官が閉め忘れていたということもありますので、「ドアは閉めたほうがよろしいでしょうか」と一言尋ねると丁寧な印象を与えることができます。
■ドアを締めた後
ドアを閉めた後は、自分が座る椅子の横まで足を進めます。すぐには座らず、椅子の横で立ったまま挨拶してお辞儀をします。
挨拶例
「〇〇大学の△△です。本日はよろしくお願いいたします。」
面接官から「座ってください」と言われたら、「失礼します」と言って椅子に座るようにしましょう。かばんは椅子の横に、コートを持っている場合はかばんの上にのせておくとよいでしょう。
面接中は、言葉遣いや受け答えに気を配り、相手に不快な思いをさせないように心がけましょう。
1. 適切な言葉遣いを
2. 口癖は極力おさえる
3. 話すときにはゆっくりと大きな声で話すこと
4. 相手が話し終わりまで待つ
「~です」「~ます」といった丁寧な言い回しを使うのはもちろん、謙譲語や尊敬語といった敬語も正しく使えるようにしておく必要があります。
また、相手の会社のことを指すときには「御社」、自分のことを指すときには「わたくし」と表現するなど、日常生活ではあまり使わない言葉を使う必要が出てきます。模擬面接で練習したり、社会人と話す機会があればその点に意識して話すようにしたりして、面接時に自然に出てくるようにしておきましょう。
また、話の間に自分の言いたいことをまとめているときに、「あ~」「え~」と言って間を持たせようとする癖が付いている人もいるかもしれませんが、このような口癖は面接時にはご法度です。普段の口癖が出ないように意識する必要があるのですね。
また、話し方や話の聞き方にもマナーがあります。話すときにはゆっくりと大きな声で話すこと。緊張すると話すスピードも速くなりがちですが、いつもよりゆっくり落ち着いて話すことを意識するとよいでしょう。
相手の話しや質問は相手が話し終わるまできちんと聞きましょう。相手が話し終わる前に割り込むのは印象が悪いですし、話し終わってすぐに話し始めるのもスマートではありません。相手の話が終わったら、一拍置いて答えるようにすると「きちんと話を聞いてくれる人だ」という印象を与えることができます。
面接官から面接の終了を伝えられたら、椅子に座ったまま「本日はお忙しい中ありがとうございました」とお礼の言葉を伝え、頭を下げます。
そして、椅子から立って荷物を持ちます。椅子の横で改めてお礼の言葉と「失礼いたします」という退室の挨拶を伝えて、面接官に向かって一礼します。
ドアの前まで来たら面接官のほうに向き直り、最後に「失礼いたします」と挨拶をしてお辞儀をします。ドアを閉めるときも面接官のほうに背中を向けないように閉めると印象が良くなります。
面接を受けた部屋から出ると、面接が終わったことの開放感が一気に押し寄せてくるでしょう。しかし、面接が終わっても気を抜いてはいけません。
会社の建物の中や会社の周辺では、その会社の社員や取引先の社員など、さまざまな関係者が見ている可能性があります。面接以外のことで合否を判断されないように面接が終わっても、会社の建物から出るまでは面接中と同じ意識を保っておく必要があります。
■面接官意外にも挨拶を
会社の建物の中には、面接官以外にもたくさんの社員や関係者がいます。これから一緒に働くことになるかもしれない先輩たちですので、すれ違うときには「こんにちは」と挨拶したり丁寧に会釈をしたりと失礼のないようにしましょう。
■家に帰るまでは行動に注意しよう
会社の建物を出ても、家に帰るまでは気をゆるめず、行動に注意しましょう。特に会社周辺では、どこで会社の関係者が見ているかわかりません。会社の周辺でタバコを吸ったり赤信号で横断歩道を渡ったりといった、ルールやマナーを無視した行動は控えるようにしましょう。
面接は合否の判断をする重要材料ですので、面接官も受け答えの内容以外に身だしなみや身のこなし方、話し方や話の聞き方などをチェックしています。
受付から会社の建物を出るまでは、その会社の社員の目が必ずありますので、面接中以外の時間でも気を抜かないようにしましょう。会社の建物を出てからも、社会の一般的なルールやマナーに反する行動は避けてくださいね。社会人に通用するマナーを身につけ、面接で最高の自分をアピールできるようにしましょう!