グループ面接は、個人面接に先立って行われることが多いです。グループ面接で勝ち抜くための対策方法について解説します。
就活における面接は、応募者が一人の、いわゆる個人面接がほとんどですが、新卒採用では個人面接に先立ち、数名を同時に面接するグループ面接がよく行われます。
そもそもの目的は、数名同時に面接することで多数の応募者の中から個人面接に送れる人を見極めるのが目的です。数名同時の面接なので、質問は基本的な項目が多く、また質問の仕方や質問の順番も当然個人面接とは異なります。
まずはグループ面接の基本的なポイントをおさえましょう。
人数は、一般的には5~6名ずつグルーピングして実施されます。
横一列に並んだ後、原則は同じ質問で順に聞いていきます。後に述べますが、質問を変えながら最初から最後まで同じ順番かというとそうではありません。グループ面接ならでは方法で、質問をする順番も、質問項目も時に変化を付けられるので面接官の言葉を聞き逃さないようにしましょう。
冒頭は、「一番右の方から順に、『お名前』『学校名』『学部名』をお願いします。」といった形で始まります。それが終わると、志望動機、自己PR、学生時代一番力を入れたことなど基本質問に入ります。ただし、途中から質問順が入れ替わったり、一人置きになったりと変化することもあり要注意です。
グループ面接だからこその特有な質問方法があります。ここではそのような特有の質問を5つピックアップします。
1. 前に述べた人の話に被せる質問
2.「前の人と同じ質問です」という質問方法
3. よく似た質問だが少しずつ変えて尋ねる質問
4. 順番や指名がない質問
5. 最後に逆質問などを促す質問
それぞれの質問の意図と答え方のポイントを紹介します。
「前の方からクラブ活動の楽しい話が出ましたが、Bさんはいかがですか?」
これは前の人の話をしっかり聞いている必要があるのと、「楽しい」というキーワードを元に自分のクラブ活動での紹介を求めるものです。
基本は他者の話をしっかり聞いておくと同時に、自分だったらこう言おうと、常に心づもりをしておくことがポイントです。被せられる質問は、ある意味では、前の人の発言以上の話ができるチャンスと考えましょう。
個人面接は質問が一回一回区切られ、聞き逃すことはまずありません。しかし、グループ面接の質問で、「前の人と同じ質問です」という問いかけをされることがあります。
自分への質問ではないからといって、前の人の質問を聞いていないと、いざ同じ質問をされた時に答えることができません。また、人の話をきちんと聞くことができているか、という部分も見られています。他の人への質問も聞き逃さないようにし、面接官への質問に備えましょう。
たとえば、「好きな座右の銘を教えて下さい」と尋ねたとします。最初の人は突然ですが、残りのメンバーは自分の順番までに考える余裕があり、不公平感が出ます。そのため、よく似た質問だが、違う質問で「好きな歴史上の人物は?」や「薦めたい本は?」と変化を付ける質問方法です。
「自分を花にたとえると?」も同様で、花が動物になったり色になったりします。それぞれ個性が出るのを期待した質問ですが、誰かの回答に流されないためにテーマを変えています。もちろん、しっかり自己主張し差を付けましょう。
グループ面接では、順番はわからないが当然答える人は指名されると思いがちです。しかし、「次の質問は挙手して答えて下さい。」と全員に投げかける場合があります。「最近のニュースで記憶に残っているものは?はい、どなたでも結構です。」といった具合です。
質問自体はそんなに難しいものはありませんが、グループ面接では急に質問方法が変わることも心得ておいた方がいいでしょう。もちろん、とっさの判断や積極性を試すのが目的です。
面接が終了近くなると、いわゆる逆質問で「何か聞きたいことがありますか?」と尋ねる質問です。個人面接では普通によくありますが、グループ面接ではあえて一人ひとりに聞かずに、全員に投げかけるものです。
逆質問は個人面接同様、意欲の高さや積極性を見るものなので、グループ面接でもチャンスがあれば是非尋ねるといいでしょう。そのためには、尋ねたいことは事前に準備しておき、挙手をして積極性を示します。
ここから本題のグループ面接での勝ち抜き方に触れたいと思います。グループ面接で是非心掛けたい5つの対策です。
1. 討議はないが競争意識は持つこと
2. 質問順の変化形に備える
3. 同じ質問が来るとは限らない
4. 他者の発言に耳を傾ける
5. 他者の発言に焦らない
それぞれ詳しくご紹介します。
グループ面接で大切なことは、気持ちを強くして競争意識を持っておくことです。
グループと名前が付くと、どうしても討議のイメージを持つ人がいますが、グループ面接ではお互いに議論するような場面はありません。かといって、一人ひとりが単独で質問に受け答えしていればいいというものでもありません。
5人、6人が一堂に並び質問を受けると、当然隣の人の受け答えを聞くことになるのでライバル意識が湧きます。また、自分よりうまく答える人の発言に多少引け目を感じることも。そういった場合でも、あなたの順が来たら、ハキハキと答えられるように、気持ちを強くして競争意識を持っておくことが大切です。
グループ面接で意外と動揺してしまうのが質問順の変化形です。述べたように、スタートの自己紹介などは座った席順に質問が来ますが、途中から変化することがあり、要注意です。
右から順にスタートし、最後の人まで終わったと思いきや、「では、今度は左から順お願いします」と言われたらどうでしょう。次の質問は、最後の人からスタートし、結局、続けて話すことになります。
さらに、質問の変化形として順番に同じ質問とは限りません。最初のAさんには、趣味を尋ね、次のBさんにはクラブ活動について尋ねるといった具合です。Bさんは質問の流れから、趣味について語れる心づもりをしますが、いわば不意打ちを食らった状態です。
質問順を変えることと目的は一緒で、後半の人が有利にならないよう、またどんな場合も臨機応変に対応できる力を試しているのです。ここでドギマギしてしまうとグループ面接には勝ち残れません。
他者の発言に耳を傾けるのは2つの意味で大切です。1つは、面接官は発言をしていない時の姿勢も観察しているから。もう1つは、時に「今、前の人がこんな意見を言いましたが、あなたはどう思いますか?」と質問が飛んでくることがあるからです。
要は、他者の発言の時、油断していないかどうかを見られているということ。同時に、他者の発言を聞きながら、競争意識を持ち合わせているかどうかを表情から伺っているからです。
グループ面接を勝ち抜くには、競争意識を持ち他者の発言に耳を傾ける一方で、他者の発言を聞いて焦らないことです。大きな声だったり、発言内容がしっかりしていたりしていると時に焦ることがありますが、これは禁物です。
他者の発言に焦ることがないよう、自分に自信を持って堂々と振る舞うことが、グループ面接で勝ち抜くコツです。
冒頭で述べたように、グループ面接は「見極めること」が目的です。一堂に並ぶとどうしても比較されやすく、またそのために実施されるのがグループ面接です。基本は自分の言いたいことをしっかりまとめておき、話し方や振る舞い方のマナーに注意しながら、ハキハキと答えることです。
一方、他者に負けないぞという強い気持ちは、並んでいる時の表情に必ず出てくるものです。良い意見にはにこやかに頷きながらも、あくまで予選突破と心得、述べてきたことを実行すれば必ず目に止まります。