大学生の場合、先の就職活動を考えて、早く資格を手に入れた方がいいのでは、と焦る人も多いと思います。本記事では、大学生が資格勉強をする必要性、資格を選ぶ際に考えるべきことを解説します。また、文理系別におすすめの資格もそれぞれ紹介します。
資格勉強のメリットをご紹介します。
就職活動中、目指す仕事に関する資格を取得していることは大きな武器になります。資格を持っていることが、学生時代からこの業界に対して興味があり、勉強を積み重ねてきた証拠になるからです。特に、難易度が高い資格の場合は、一朝一夕で取得できないので、そのぶん熱意も伝わりやすいでしょう。
就職活動において、資格によって採用担当の評価がプラスになっても、マイナスになることはほとんどありません。自分と同じような人柄、能力で評価された学生と比べたとき、資格取得の有無が合否を分ける可能性もあります。また、業界や職種によっては資格がないとできない仕事もあるので、在学中にあらかじめ資格を取得しておくと、就職先の選択肢が広がります。
資格を勉強する中で、その資格に関する業界や職種に必要な知識や適性を知ることができます。憧れているイメージだけで就職先を選ぶと、理想の仕事と現実の仕事のギャップでつらい思いをするかもしれません。大学生のうちに資格勉強を行い、これらのイメージのギャップを確認することで、就職活動もよりスムーズに始めることができます。
資格取得の段階でつまらない、やりたくない、ストレスばかり感じるなどのネガティブな感情ばかりになるようでは、残念ながらその仕事に向いていないのかもしれません。実際に働くようになると、仕事によっては、より深い知識を身に付けることが必要になる可能性も高いからです。仮に勉強した資格の分野に適性がないと判断したとしても、学生のうちにそれに気づけるのは大きな収穫です。
学生時代は、社会人と比べて比較的時間に余裕があり、資格勉強を行うチャンスです。社会人になってからでは資格の勉強をする時間の確保が難しくなります。社会人になると、仕事と家庭の両立や、人付き合いに多くの時間を費やすようになり、学生時代にもっと勉強をしておけばよかったと後悔する人も多いです。
まだ進路が決まっていない人は、比較的多くの業界で役に立つ資格から目指してみると良いでしょう。その点を加味して、文系におすすめの資格を3つ紹介します。
・TOEIC
・簿記
・ファイナンシャルプランナー
TOEICは、ビジネス英語の取得状況が得点に表れるため、採用の参考にしている企業は多いです。就職活動中、企業によっては早い段階で得点を聞いてくる場合もあります。最近では、海外に進出する日系企業の増加などからも分かるように、グローバル化を考える企業も多いです。そのため、ビジネス英語ができる人材として活躍できる人の需要は高くなっています。
TOEICの平均点は600点前後。外資系企業や商社の場合、特に高いレベルが求められます。日系企業は750点以上、外資系企業は900点程度でアピールできるといわれています。
簿記の勉強は、会計の基本を学ぶことにつながりますが、経理などの会計に関わる仕事でなくとも、数字を見る業務はさまざまな仕事で行われます。そのため、簿記は多くのビジネスマンにとって有益な知識を身に付けることのできる資格です。就活に役立つ簿記検定を取得するなら、3級以上を目指すと良いでしょう。
税理士はもちろん、中小企業診断士やファイナンシャルプランナーなどもお金に関する仕事を扱うため、簿記は役に立ちます。しかし、営業やマーケティングなど、一見会計に関係ない部署に配属されたとしても、簿記の知識があると、数字を見て、より具体的な提案や企画書の作成ができることもあります。
お金のことにまつわる、あらゆる知識を身に付けることができます。もちろん、銀行や証券などの金融業界へ就職したい人は、そのまま知識が活かせます。内定後に資格取得を打診されることもあるため、早いうちにとっておいて損はありません。ファイナンシャルプランナーには1級~3級まであります。2級・3級は比較的合格率が高いため、学生時代に勉強しても取得しやすいでしょう。
理系の場合、専門職に就く可能性が高いです。そのため、就活においてはまず行きたい専門分野に関する資格の取得を考えてみましょう。それ以外で、理系におすすめの資格として次の4つを紹介します。
・ITパスポート試験
・基本情報技術者試験
・弁理士
「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家資格です。この資格を持つことでPCスキルがあることの証明になります。情報処理に関する基本的な知識が求められ、難易度は低めです。ほとんどの人は独学で学び、受験しています。ITエンジニアだけでなく、事務職への就活でもアピールできるため、理系に関わらず受験者数は多いです。
経済産業省が開催する資格試験で、難易度はITパスポート試験の1段階上と捉えられます。この試験をパスすることで、高度IT人材となるための必要な知識と技能を持ち、実践的な活用能力が身に付いていることが証明されます。ITに関する基本的な知識だけではなく、経営や管理、プログラミングの知識に関する出題が含まれます。
特許や商標、意匠、実用新案などの知的財産に関する知識を持つ人が取得する資格です。法律や特許の専門知識を学び、資格取得後の就職先としては、人々や企業の特許権・意匠権などの権利を保護する特許事務所などがあります。司法試験の次に難易度が高いと言われ、何年間も資格取得を目指して勉強している人もいます。目指すなら、時間のあるうちにしっかり勉強しておきたい資格です。
ただやみくもに、取れそうな資格から取ることはあまりおすすめできません。大学生が資格を取る際には、次のポイントも考えて選ぶことをおすすめします。
なりたい職業が決まっているなら、その職業になるために必要な資格があるか調べてみましょう。職種によって、資格がなければ働けない仕事、資格があれば有利な仕事、資格がなくても働ける仕事があります。資格がなければ働けない仕事の場合は、資格勉強が不可欠です。仮に資格がなくても働ける仕事であっても、職務に関係のある知識を得られるかを見て資格を選びましょう。
趣味と関係している資格、その分野の知識に興味がある資格を取るのもおすすめです。もしかすると、それがたまたま仕事につながる可能性もありますし、勉強しながら自分が楽しむこともできるので、一石二鳥です。資格の取得によって自信がつき、知識も増えて、よりその分野のことを調べるのが楽しくなるかもしれません。
本記事では、大学生が資格を取得するべき理由やおすすめの資格について紹介しました。必ずしも資格が何かの役に立つというわけではありませんが、なりたい職業や業界によっては資格取得が必須になるところもあります。興味や関心がある分野の資格であれば、自分がほしい知識を学びながら資格取得が可能です。自分にとって何がプラスになるか、喜びにつながるかを考えて、これから目指す資格を考えてみましょう。